山梨の温泉を中心とした車なしでも巡れる公共交通旅行
山梨県は、富士山の麓に広がる自然豊かな県で、数多くの魅力的な温泉地を有しています。山梨の温泉は、その泉質の良さと美しい景観で多くの観光客を魅了しています。車がなくても、公共交通機関を利用して山梨の温泉地を巡る旅は十分に楽しめます。JR中央線や富士急行線などの鉄道、路線バスを活用すれば、主要な温泉地へのアクセスは意外と便利です。
山梨県には石和温泉や春日居温泉、富士河口湖温泉など個性豊かな温泉地があり、それぞれに特色ある泉質や景観を楽しむことができます。また、温泉だけでなく、ワイナリー巡りや果物狩り、富士山の絶景スポットなど、公共交通機関で訪れられる観光名所も充実しているのが山梨の魅力です。
この記事では、車を持たない方や運転を避けたい方のために、公共交通機関を活用した山梨温泉旅行の楽しみ方をご紹介します。エリア別の特徴やモデルコース、おすすめの宿泊施設、季節ごとのアクティビティなど、山梨の温泉を最大限に楽しむための情報をお届けします。
山梨の温泉地エリア別特徴と公共交通アクセス
山梨県内には多くの温泉地がありますが、公共交通機関でアクセスしやすいエリアを中心にご紹介します。それぞれの温泉地には独自の魅力があり、交通アクセスの便も異なります。旅行計画を立てる際の参考にしてください。
石和温泉・春日居温泉エリアの特徴と楽しみ方
石和温泉と春日居温泉は、山梨県の代表的な温泉地で、JR中央線を使ったアクセスが非常に便利です。東京駅から特急「かいじ」で約90分、新宿駅からは約80分で石和温泉駅に到着します。石和温泉は「フルーツの国の温泉郷」とも呼ばれ、アルカリ性単純泉が中心で、美肌効果が高いと言われています。
石和温泉駅周辺には旅館やホテルが集まり、徒歩圏内で温泉街を散策できます。春日居温泉は石和温泉の隣に位置し、JR春日居町駅から徒歩圏内に宿が点在しています。このエリアでは、温泉だけでなく周辺のワイナリー巡りも人気で、「ぶどうの丘」などは路線バスでアクセス可能です。また、桃やぶどうの季節には果物狩りも楽しめます。
富士河口湖・富士山周辺の温泉地と公共交通でのアクセス
富士山の麓に広がる富士河口湖温泉エリアは、富士急行線を利用してアクセスできます。大月駅でJR中央線から富士急行線に乗り換え、河口湖駅まで約55分です。東京から直通の特急「富士回遊」を利用すれば、より快適に移動できます。
河口湖駅からは「レトロバス」や周遊バスが運行しており、湖畔の温泉宿や観光スポットを巡ることができます。富士河口湖温泉は、富士山の伏流水を源泉とする硫酸塩泉が特徴で、疲労回復に効果があるとされています。河口湖周辺には「天上山公園」や「河口湖音楽館」など、公共交通機関で訪れられる観光スポットも多く、富士山の絶景を楽しみながら温泉巡りができます。
山梨県北部の秘湯とバスでのアクセス方法
山梨県北部には、山間に点在する秘湯的な温泉地があります。これらの地域は、JR中央線の駅から路線バスを利用してアクセスします。特に人気の高い温泉地とそのアクセス方法を表にまとめました。
| 温泉名 | 最寄り駅 | バスルート | 所要時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 竜王ラドン温泉 | JR竜王駅 | 竜王駅から路線バス | 約15分 | ラドン含有量が豊富で健康効果が高い |
| 甲府温泉 | JR甲府駅 | 甲府駅から徒歩圏内 | 5〜15分 | 市街地に位置し、アクセス便利 |
| 西山温泉 | JR甲府駅 | 甲府駅から西山温泉行きバス | 約60分 | 開湯1300年の歴史ある秘湯 |
| 下部温泉 | JR身延線下部温泉駅 | 駅から送迎バスあり | 約10分 | 「美人の湯」として知られる |
竜王ラドン温泉は、〒400-0113 山梨県甲斐市富竹新田１３００−１に位置し、山梨 温泉の中でも特にラドン含有量が豊富で健康効果が高いと評判です。バスの本数は限られている場合があるため、事前に時刻表を確認することをおすすめします。
山梨の温泉を中心とした2泊3日モデルコース
公共交通機関を利用して山梨の温泉を巡る2泊3日のモデルコースをご紹介します。効率的に移動しながら、山梨の温泉と観光スポットを楽しめるプランです。
1日目：東京から石和温泉へ〜駅周辺散策プラン
1日目は、東京から石和温泉に向かいます。JR中央線特急「かいじ」で新宿駅から約80分で石和温泉駅に到着します。駅に到着したら、まずはホテルにチェックインし、荷物を預けましょう。
午後は石和温泉街の散策がおすすめです。駅周辺には「石和温泉足湯ひろば」があり、無料で足湯を楽しめます。その後、「石和温泉共同浴場」で地元の人々に愛される温泉を体験するのもよいでしょう。夕食前には「笛吹川フルーツ公園」へバスで向かい、山梨の果物について学んだり、季節の果物狩りを楽しんだりできます。
夜は宿で山梨の郷土料理と地元のワインを楽しみ、ゆっくりと温泉に浸かって1日目を締めくくります。石和温泉の多くの宿では、夕食に地元の食材を使った郷土料理や、山梨県産のワインをいただけるのが特徴です。
2日目：ローカルバスで巡る山梨の名所と温泉
2日目は、朝食後に石和温泉駅からJR中央線で甲府駅へ移動します（約15分）。甲府駅からは路線バスを利用して、山梨県立博物館や武田神社などの観光スポットを巡ります。昼食は甲府名物の「ほうとう」を味わいましょう。
午後は、甲府駅から竜王駅へ移動し（JR中央線で約7分）、そこから路線バスで竜王ラドン温泉へ向かいます。ラドンを豊富に含む温泉で疲れを癒した後、再び竜王駅に戻り、JR中央線で河口湖方面へ向かいます。大月駅で富士急行線に乗り換え、河口湖駅まで移動します。
河口湖駅周辺または湖畔の温泉宿に宿泊し、夕食後は露天風呂から富士山の夜景を楽しみましょう。多くの宿では無料送迎を行っているので、予約時に確認するとスムーズです。
3日目：河口湖温泉から富士山ビューを楽しむ帰路
- 朝：宿の温泉で朝風呂を楽しみ、朝食後チェックアウト
- 午前：河口湖周遊バスで「天上山公園カチカチ山ロープウェイ」へ（約10分）
- ロープウェイで山頂へ上り、富士山の絶景を堪能（往復約30分）
- 周遊バスで「河口湖音楽館・河口湖ミューズ館」へ（約15分）
- 昼：湖畔のレストランで地元食材を使った料理を楽しむ
- 午後：「河口湖クラフトパーク」で伝統工芸体験（約60分）
- 河口湖駅に戻り、富士急行線・JR中央線で東京へ
3日目は、朝から河口湖周辺の観光を楽しみます。「天上山公園カチカチ山ロープウェイ」からは、富士山と河口湖の絶景を一望できます。周遊バスを利用すれば、効率よく観光スポットを巡ることができます。
昼食は湖畔のレストランで、地元の食材を使った料理を楽しみましょう。午後は「河口湖クラフトパーク」で伝統工芸体験を楽しんだ後、河口湖駅から富士急行線とJR中央線を乗り継いで東京へ戻ります。特急「富士回遊」または「かいじ」を利用すれば、約2時間で東京に到着します。
山梨の温泉宿選びのポイントと公共交通好アクセス宿
公共交通機関を利用する旅では、宿泊施設の立地が重要です。ここでは、駅から近い宿や送迎サービスのある宿を中心に、選び方のポイントをご紹介します。
駅から徒歩圏内のおすすめ温泉宿
駅から徒歩で行ける温泉宿は、荷物を持っての移動が楽で、チェックイン・チェックアウト後の行動の自由度も高まります。山梨県内の主要温泉地には、駅から徒歩圏内に立地する宿泊施設が多くあります。
石和温泉では、石和温泉駅から徒歩10分以内の「ホテル石庭」や「ホテル君佳」などがあります。春日居温泉エリアでは、春日居町駅から徒歩圏内に「ホテル春日居」があります。これらの宿は駅からの距離が近く、大きな荷物があっても安心です。
河口湖エリアでは、河口湖駅から徒歩15分以内に「湖南荘」や「湖山亭うぶや」などがあります。駅近の宿は予約が取りにくい傾向があるため、特に週末や連休、紅葉シーズンなどは2〜3ヶ月前からの予約をおすすめします。
送迎サービスのある温泉宿の選び方
駅から少し離れた場所にある宿でも、送迎サービスがあれば公共交通機関での旅行でも安心です。送迎サービスを提供している宿を選ぶ際のポイントは以下の通りです。
まず、送迎の予約方法を確認しましょう。多くの宿では事前予約が必要で、到着時刻の24時間前までに連絡する必要があります。また、送迎の運行時間も重要です。最終送迎時間が早い場合は、旅程を調整する必要があります。
送迎サービスがある宿の例として、石和温泉の「華やぎの章慶山」や河口湖温泉の「風のテラスKUKUNA」などがあります。これらの宿では、事前に到着時刻を伝えておけば、駅まで無料で送迎してもらえます。チェックアウト時の送迎も同様に予約できます。
送迎サービスを利用する際は、到着駅と時刻を正確に伝え、万が一の遅延にも対応できるよう、宿の連絡先を手元に持っておくことをおすすめします。
予算別おすすめ温泉宿と予約のコツ
山梨の温泉宿は価格帯によって設備やサービスが異なります。予算に合わせた宿選びのポイントをご紹介します。
| 価格帯 | 宿泊施設名 | 特徴 | アクセス |
|---|---|---|---|
| 高級（2万円〜） | 富士河口湖温泉 風のテラスKUKUNA | 全室から富士山を望む、高級感ある設備 | 河口湖駅から送迎あり |
| 中級（1万〜2万円） | 石和温泉 ホテル石庭 | 日本庭園を眺める露天風呂が人気 | 石和温泉駅から徒歩8分 |
| リーズナブル（〜1万円） | 甲府温泉 湯村ホテルB&B | シンプルな設備で価格重視の方に | 甲府駅から徒歩15分 |
| 格安（〜8千円） | 石和温泉 旅館深雪 | 家庭的なおもてなしの民宿タイプ | 石和温泉駅から徒歩12分 |
予約のコツとしては、平日の宿泊が週末よりも安い傾向にあります。また、オフシーズン（6月や11月下旬など）は料金が下がることが多いです。早期予約割引を実施している宿も多いので、計画が決まったら早めに予約することをおすすめします。
宿泊予約サイトの会員になると、ポイントが貯まったり特別割引が適用されたりすることもあります。複数の予約サイトで料金を比較し、公式サイトでの直接予約も検討すると良いでしょう。
山梨の温泉旅行を充実させる季節別アクティビティ
山梨県は四季折々の魅力があり、温泉旅行と合わせて季節ごとのアクティビティを楽しむことができます。公共交通機関でアクセスできる季節別のおすすめスポットをご紹介します。
春夏の山梨温泉旅行で楽しめる観光スポット
春の山梨は、桜や桃の花が美しい季節です。4月上旬には「笛吹市桃源郷」で桃の花が満開になり、ピンク色の絨毯が広がります。石和温泉駅から路線バスでアクセスできます。5月には「八代ふるさと公園」で藤の花が見頃を迎え、石和温泉からバスで約15分です。
夏は、河口湖周辺でのアクティビティが充実します。「河口湖」ではカヌーやボート体験ができ、河口湖駅から周遊バスでアクセスできます。また、「富士急ハイランド」は富士急行線の富士急ハイランド駅が直結しており、絶叫マシンを楽しめます。
暑い夏の日には「西湖コウモリ穴」や「富岳風穴」などの冷涼スポットもおすすめです。河口湖駅から西湖周遊バスで約40分でアクセスできます。夏の山梨では、標高の高い場所での避暑と温泉巡りを組み合わせることで、より快適な旅行が楽しめます。
秋冬の山梨温泉旅行におすすめの体験
秋の山梨は紅葉が美しく、温泉との相性も抜群です。特に11月上旬から中旬にかけての河口湖周辺の紅葉は見事で、「河口湖もみじ回廊」は周遊バスでアクセスできます。また、この時期は「河口湖紅葉まつり」も開催され、夜間のライトアップも楽しめます。
石和温泉や春日居温泉からは、「昇仙峡」の紅葉も日帰りで楽しめます。甲府駅からバスで約40分でアクセスできる渓谷で、赤や黄色に染まる景色は圧巻です。
冬は、雪見風呂を楽しめる温泉宿が人気です。特に富士山麓の温泉宿では、雪化粧した富士山を眺めながらの露天風呂が格別です。また、「富士山パノラマロープウェイ」では、冬季限定の「ダイヤモンド富士」を見ることができます。河口湖駅からバスで約20分でアクセスできます。
公共交通で行ける山梨の名産・グルメスポット
山梨県は果物やワイン、郷土料理が有名です。公共交通機関でアクセスできる名産・グルメスポットをいくつかご紹介します。
- 「ぶどうの丘」（石和温泉駅からバスで約15分）：約200種類の山梨ワインの試飲ができる施設
- 「甲州夢小路」（JR甲府駅から徒歩5分）：山梨の郷土料理や地酒が楽しめる飲食店が集まる
- 「ほうとう不動」（石和温泉駅から徒歩10分の石和店）：山梨名物ほうとうの人気店
- 「シャトレーゼ白州工場」（JR小淵沢駅からバスで約30分）：お菓子工場見学とアイスクリーム作り体験
- 「河口湖ハーブ館」（河口湖駅から周遊バスで約15分）：ハーブティーやハーブを使ったスイーツを楽しめる
特に「ほうとう」は山梨を代表する郷土料理で、かぼちゃなどの野菜と平打ち麺を味噌で煮込んだ料理です。甲府市内や温泉地には多くのほうとう専門店があり、公共交通機関でアクセスできる店舗も多いです。
まとめ
山梨の温泉は、その豊かな泉質と美しい自然環境で多くの人々を魅了しています。車がなくても、JR中央線や富士急行線、路線バスなどの公共交通機関を活用することで、主要な温泉地や観光スポットを効率的に巡ることができます。
石和温泉や河口湖温泉などの主要温泉地は駅からのアクセスが良く、送迎サービスを提供する宿も多いため、公共交通機関での旅行でも安心です。また、季節ごとに異なる魅力を持つ山梨県では、温泉巡りと合わせて、桜や紅葉の名所巡り、ワイナリー訪問、郷土料理の堪能など、多彩な楽しみ方ができます。
山梨の温泉を中心とした公共交通旅行は、運転の疲れを気にすることなく、のんびりと温泉や観光を楽しめる魅力があります。事前に交通情報や宿の立地を確認し、効率的な旅程を組むことで、より充実した山梨温泉の旅が実現するでしょう。ぜひ、四季折々の魅力あふれる山梨の温泉旅行を、公共交通機関を利用して楽しんでみてください。
※記事内容は実際の内容と異なる場合があります。必ず事前にご確認をお願いします